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2026年3月10日火曜日

ランドセルじゃなければダメですか

 僕が教員になったころは、高学年になるとランドセルを使っている子は少なく、多くの子どもたちはデイパックなどを利用していました。

それが30年ほど前でしょうか、「6年間ランドセルを使わせたい」という流れが定着してきたように感じます。学校には不思議な文化があり、時にこうした流行が作られます。何か大きなきっかけがあったわけではなく、おそらく当時の保護者の集まりなどで「うちは卒業まで使わせることにしたの」といった発言があり、「じゃあ、うちもやってみよう」と口コミ的に広がっていったのではないでしょうか。

現在のランドセルは、本革や高品質な素材が使われているものが多く、正式な「ランドセル」として認定されるには国内製造であるといった厳しい基準もあるそうです。価格が高騰しているのには、そうした背景もあります。

学校現場にいた頃、「必ずしもランドセルじゃなくてもいいのではないか」と提案しようとしたことがありました。実際に、新1年生の説明会であえて「ランドセル」という名称を使わず、「背負ってこられるもの」という表現を試みたこともあります。 しかし、「今は早いご家庭だと、年長の春にはもう購入しているんですよ」という実情を聞き、諦めざるを得ませんでした。入学の1年も前から購入活動(ラン活)が始まっているのなら、直前の説明会で学校側がどう表現しようと、まったく意味をなさないわけです。人気のランドセルを手に入れるためには、そこまで早く動かなければならない時代になっていました。

最近では、富山県の立山町がモンベルと共同開発した通学用リュック「わんパック」が話題になり、それに追従するように布製や合皮製の軽いバッグを無償配布する自治体も増えてきているようです。

学校現場でも負担軽減の工
夫は進んでおり、以前とは違って教科書やノートを教室に置いて帰る「置き勉」が広まっています。下校時の子どものランドセルの重さを量ったことがありますが、5キロ以上もありました。子どもの体重を考えれば、明らかに重すぎます。その点からも「本当に従来のランドセルでなければいけないのか」と考えてしまいます。

もちろん、ランドセル市場は日本全国で見れば巨大な経済活動ですから、「廃止しよう」などと言い出す政治家や官僚はいないでしょう。しかし、ランドセルは決して法律で制度化されたものではありません。 両手がふさがらないリュック型の安全性を保
ちつつ、従来のランドセルに代わる軽くて自由なカバンを使っていこうというムーブメントが、今後さらに広がっていくといいなと願っています。

軍隊の背嚢(はいのう)が原型だということで、軍国主義の名残だとまで言うつもりはありません。ただ、「みんなと同じカバンでなければいけない」という同調圧力のような考え方については、これからの教育において少し見直していく時期に来ているのかもしれません。

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