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2026年4月25日土曜日

少子化対策、学校は制度が整っていますよ。

少子化対策が進む中、学校という職場も大きな変化を見せています。特に小学校は女性教員の比率が高いため、その変化の影響を強く受けています。

現在では少子化対策の一環として、育児休業を最大3年間取得できるようになりました。この動きは民間企業でも見られ始めています。学校現場においては、産休・育休期間中に代替教員が雇用されるため、本来であれば業務への影響は少ないはずです。また、育休は男性も取得可能であり、その利用率は年々高まっています。

復帰後の育児期間中には、「育児短時間勤務」という選択肢があります。4時間や6時間といった勤務枠を選ぶことができ、例えば4時間勤務を選択した場合、始業から4時間の勤務となります。不足する3時間45分については非常勤講師が代替として雇用されますが、勤務時間に応じた給与体系となるため、収入は大幅に減少します。

もう一つの選択肢として、「フレックスタイム(時差出勤)制度」の利用が挙げられます。これは5分単位で勤務時間を前後にずらすことができる制度です。1日7時間45分という所定労働時間は変わらないため、給与への影響はありません。始業時間を早める形での利用が多く見受けられます。自治体によって規定は異なりますが、多くの場合、子どもが小学校を卒業するまで利用可能です。

教員の大量採用から10年以上が経過しました。当時採用された教員たちが25〜35歳前後の出産適齢期を迎えており、これらの制度の利用者が増加していると考えられます。こうした制度は教員の働き方を支える上で非常に重要です。しかし、以前のように臨時的任用教員(臨任)や非常勤講師のなり手が豊富であれば問題ありませんでしたが、現在は代替教員の需要と供給のバランスが崩れているという深刻な課題があります。

妊娠・出産・育児は、人生において極めて重要な期間です。育休の延長、時短勤務、フレックスタイムといった制度は、導入当初こそ現場に混乱をもたらしましたが、浸透するにつれて運用上の工夫も生まれてきました。適切に活用すれば、教員の生活に余裕をもたらす有効な手段となります。

少子化は欧米諸国を含め、社会全体の問題となっています。教員が人生の大きな選択を前向きに考えるためにも、多様な働き方を支える制度の充実は不可欠な条件と言えるでしょう。

2026年4月23日木曜日

授業以外の業務ってなんですか。


授業に関する業務:学級担任の重圧
学級担任は、日々の授業において以下のような多岐にわたる業務を(多くの場合、全教科分)こなしています。

  1. 授業の準備 授業の目的の明確化、教材研究、授業展開の構想。さらに、補助資料やプレゼン用のデータ作成、授業中に使用するプリントやフォーマットの用意などを行います。

  2. 授業の実践 実際の指導を行います。

  3. 授業後の処理 児童たちの評価のまとめ、小テストの実施と採点。ドリルや授業中に使ったプリントの回収・処理・評価記録の作成、そして提出物の確認と評価を行います。

従来、学級担任は自分のクラスの全授業を担うため、1時間の授業ごとにこれだけの業務が発生していました。教科担任制を部分的にでも導入すれば、同じ内容の授業を複数のクラスで行うことができるため、特に「1. 授業の準備」にかかる時間は大幅に削減できます。では、なぜ担任の負担は減らないのでしょうか。それは、「授業に関係しない業務」が膨大だからです。

授業以外の業務:肥大化する校務分掌と担任業務 学校組織には「校務分掌(事務分掌)」があります。本来は、基本的な分掌(教務、総務、経理、行事、視聴覚、図書など)と、学年・学級の業務(担任業務)だけで回っていたはずですが、時代とともに新しい課題が次々と追加され、組織だけが肥大化しています。

現在、一人の学級担任が抱える役割は以下のようになります。

  • 学年・学級運営: クラス運営に加え、学年部会への参加。さらに日本の場合は、休み時間、給食時間、掃除の指導といった生活面の指導も「担任の業務」として重くのしかかっています。

  • 各種研究会: 教科(国語、算数など)の研究会に加え、教科外(道徳、英語、特別活動など)の研究会。

  • 各種委員会・担当業務: 児童指導部、特別支援教育部、いじめ防止対策協議会、人権教育協議会など。


例えば、ある担任の先生は「5年担任」をしながら、「国語専任」「図書担当」「教務」「児童指導」「特別支援」「いじめ防止」「人権」を一人で兼任することになります。 その結果、書写展や文集の指導・事務手続きを行い、教務として職員会議の資料をまとめ、図書担当として読書感想文を取りまとめます。各種会議や人権教育の研修にも必ず参加し、支援が必要な児童がいれば個別の資料を作成して全体へ周知しなければなりません。 これに加えて、教育実習や初任者研修の師範授業、登下校指導のための資料作成や実地指導なども重なります。さらに各学校で行われる「授業研究会」のために指導案を作成し、他の教員に授業を見てもらい協議する会まであります。

大雑把に書き出しても、学級担任がどれほど常軌を逸した量の業務を抱えているかがお分かりいただけると思います。

現状の課題と今後の展望 「授業研究が日本の教育の要だ」と主張する学者もいますが、そこに費やしている膨大な時間と労力に見合うほど、授業改善に直結した例を私はほとんど見たことがありません。

これまで、日本の学校は「足し算」ばかりをしてきました。組織図を見れば、次々に新しい業務を継ぎ足してきたことが分かります。人員が増えない状況下で業務だけを増やせば、現場が破綻するのは必然です。 現状を打破するためには、ともかく人員を増やすことが不可欠です。それに加え、AI活用を阻む様々な制約を早期に撤廃し、AIの力で効率化できる業務を次々と見つけていかない限り、先生たちが本来の「授業」に力を注げる状況にはなりません。

「コスパが良いから」「先生たちが身を粉にして頑張ってくれるから」という方法論に依存し続ければ、学校の先生になろうという志望者は今後減るばかりだと思います。

2026年4月17日金曜日

臨任や非常勤で勤めてくれる人がいなくなったのは

臨任と非常勤の大きな違いと、深刻化する人材不足の現状

学校現場を支える「臨任(臨時的任用教職員)」と「非常勤講師」には、働き方や役割に大きな違いがあります。

臨任(臨時的任用教職員)とは? まず「臨任」ですが、基本的には正規の教職員と同じように扱われます。臨任が必要になるケースは、大きく分けて以下の3つです。

  1. 正規教員の欠員補充 本来は正規の教員で埋まっていなければならない枠が足りず、その分を臨任で埋めるケースです。新規採用者の突然の辞退や、急な退職などによって生じます。現場からすればありえないことなのですが、実際には多くの臨任の先生が4月の最初からこの枠で勤務しています。

  2. 産休・育休の代替 現在、学校現場には35歳以下の若い先生、特に小学校では女性の先生が多く、出産を迎える世代が集中しています。また、少子化対策もあり、男女問わず育休制度が手厚く利用されるようになりました。そのため、代替要員としての臨任の需要が急増しています。 通常、妊娠の報告(大体2、3ヶ月目)を受けると、校長はすぐに教育委員会へ書類を出し「〇月〇日から産休代替が必要」と要請します。しかし、何ヶ月も前から伝えているにもかかわらず、休みに入るギリギリまで代替の先生が決まらないことがざらにあります。

  3. 精神疾患などによる休職の代替 前回も書きましたが、精神疾患による休職者が増えているという現実があります。この場合は突然お休みに入るケースが多く、前もって準備できないため、代替の臨任が見つからない事態が頻発しています。

非常勤講師とは? 一方、「非常勤」は時給制で、週の勤務時間数に上限があります。僕が所属していた自治体では「週29時間が上限」でした。 また、「授業ができるのは全勤務時間の3分の2まで、残りの3分の1は事務処理や教材研究に充てる」という規定もありました(この辺りのルールは地方自治体によって異なるようです)。

週29時間となると、1日あたり約6時間勤務です。6時間労働なら途中に休憩時間を挟む必要がないため、9時出勤なら15時退勤、8時30分出勤なら14時30分退勤となります。この勤務時間では小学校の学級担任を務めるのは物理的に厳しく、そもそも制度上、非常勤の先生は担任になれない決まりになっています。

非常勤の役割も多岐にわたります。育児短時間勤務を利用して早く退勤する先生の「抜けた時間分を埋める」ための配置や、教科担任制のための配置などです。また、教員が病気で休む際も、2週間以上の診断書があれば非常勤講師を雇用することができます。

なぜ学校に人が来ないのか? 以前は、欠員が出ればどんな場合でも、教育委員会の人事担当者が学校へ職員を紹介してくれました。しかし、今はそれがだんだんとできなくなっています。その理由として考えられるのは以下の3点です。

  • 採用試験の不合格者の減少: 今までは試験に不合格だった人が臨任をやるケースが多かったのですが、不合格者自体が極端に少なくなりました。

  • 定年延長と再任用制度: 60歳定年ではなくなり、再任用で65歳まで勤務できるようになったため、「定年後数年は臨任で働こう」というベテラン層がいなくなりました。

  • 待遇の地域格差: 非常勤を希望する人は、東京のように時給面で優遇されている自治体に集中しているのかもしれません。

理由は様々あるにせよ、ともかく「現場に人がいない」というのが切実な現状です。

さらに近年は制度が変わり、臨任や非常勤の先生が同じ学校に長く留まれるようになりました。先生にとっても、働きやすくて評判の良い学校にいられるなら、わざわざ他校へ移る必要はありません。学校側も、優秀な人材を手放したくないので「絶対に他に行かないように」と強く引き留めます。 その結果、各学校間で熾烈な人材の獲得競争が起き、流動性が下がることで、ますます全体の人手不足に拍車がかかる……という悪循環に陥っているのです。

2026年4月8日水曜日

勤務時間を保護者に知らせていますか。

 


先生たちの勤務時間は地域によって異なりますが、7時間45分、もしくは8時間の場合が多いでしょう。これに休憩時間が含まれるため、実質的な拘束時間は8時間30分から8時間45分になります。拘束時間に差があるのは、休憩時間が45分なのか、1時間なのかによって変わってくるためです。

朝の始業時間も、地域で統一されている場合もあれば、学校ごとに異なる場合もあります。おそらく、8時から8時30分の間に設定している学校がほとんどではないでしょうか。

勤務時間について特に気になるのは、「保護者に先生たちの勤務時間をきちんと知らせているか」ということです。どんな形でもよいので、例えば「8時から16時30分」が勤務時間であれば、それをしっかりと保護者に伝える必要があります。保護者の多くも企業で働いているため、先生たちにも勤務時間があるということはすぐに理解してもらえるはずです。

そして同時に、電話対応の受付時間も先生たちの勤務時間に合わせていることを明示する必要があります。これをしておかないと、「仕事中に電話できないのだから、遅い時間でも対応してほしい」ということになってしまいます。警察や病院などは24時間体制で勤務を割り振っていますが、学校にそのような機能はありません。ですから、「勤務時間と電話対応はこの時間帯です」ということを、しっかりと知らせる必要があるのです。

次は、先生たちの意識の問題です。勤務時間など関係なく仕事をしてよい時代は終わりました。いくら外が明るくても、勤務時間を超えて仕事をする必要はないのです。さまざまな工夫をして、時間外労働をしないで済むようにしなければなりません。

文科省は、残業代を支払うことを避けている節があります。そんなに嫌ならば財源ごとすべて地方自治体に任せればよいのに、未だに教員給与の3分の1を負担しています。それが残業手当を支払わない口実につながっているのなら、いっそ全額を地方自治体に委譲すべきです。そうしないと、誰も本気で時間外勤務について考えようとしないでしょう。

新年度になり、勤務時間が早まった学校もあると思います。先生方は気を付けましょう。勤務時間が早まったのなら、必ず退勤時間を守らないと、あっという間に時間外勤務の時間が増えてしまいます。

まず、学校が今すぐできることは、保護者に先生たちの勤務時間を知らせることではないでしょうか。

2026年3月24日火曜日

学校は、保育はできないのですが…。

学校の本来の役割とは何か 学校に求められる役割が、本来の目的から大きく広がってしまっていることが現在の課題だと感じています。 もともと学校は、文字を覚え、言葉を獲得する「学習の場」です。1872年の学制発布から、その基本的な役割は変わっていません。しかし現実には、それ以上のことが求められるようになっています。

変化する働き方と「預かり」への期待 戦後の「専業主婦」モデルが少数派となり、今は共働きやシングルを問わず、誰もが働くスタイルがスタンダードです。リモートワークなど働き方は多様化しましたが、時間になれば仕事に集中しなければならない点に変わりはありません。

ここで生じているのが、保護者の中に芽生えた「学校に子どもを預かってもらう」という意識です。 以前にも書きましたが、日本の学校教育がいくら全方位型であっても、学校に「保育機能」はありません。コロナ禍で一番問題になったのが「学校が預かってくれないこと」だった点に、保護者側と学校側の認識の大きな乖離が現れていたと言えます。

放課後の整備と、残された「朝」の課題 放課後の問題に関しては、かなり整備が進んできました。これは児童福祉法に基づく福祉関係の部局(青少年育成局など)の管轄であり、教育委員会が管轄する学校とは、同じ場所であっても異なる施策として動いています。

そこで最後に残されているのが「朝」の問題です。 「もっと早くから学校を開けてほしい」という保護者の声は分かります。しかし、これを行政や学校に何とかしてもらうのではなく、企業側がフレックスタイムを導入・活用しやすくするなど、社会全体での子育て支援が必要ではないでしょうか。

教育や行政の枠組みだけでなく、企業側の「働きやすい環境づくり」こそが、今求められているのだと思います。

2026年3月14日土曜日

教員の間の人間関係ってどうなんですか。

 人間関係の話に入る前に、採用試験についてはこれまでも何回か書いてきました。 僕は1982年に教員になりました。教員採用試験に「実技試験」が導入された年です。

■ 1980年代:採用減と実技試験の導入 それまでは採用枠が広かったのですが、少しずつ採用数が減り、実技試験が導入されるようになりました。

■ 1990年代~2000年代:採用超氷河期 この時期は、一番採用がなかった時代です。「当面は採用0でも問題はないけれど、後々の年齢構成を考えると0という訳にはいかない」という話が出るほどでした。1994年ごろだったと思いますが、実際に4月の新規採用者が「一桁」だった都市もあるくらいです。採用試験の倍率も10倍を超えていました。

■ 2010年代:大量退職と採用枠の拡大 大量採用されたベビーブーマー世代の先生たちが、一斉に退職し始めた頃です。

ここから、教員の出身大学も大きく変わっていきました。 僕の頃は都市部であっても、まだ地元の国立大学の卒業生が半数くらいいました。僕自身は私立大の出身なのですが、以前は国大出身の先生が多くいたものです。しかし今は、地元の国大卒業生が「0」という学校も少なくありません。

地方になれば、現在でも教員の大半は地元の国大出身者というところが多いはずです。ですので、大学の先輩・後輩関係は未だにあるのではないでしょうか。 その辺りの実情は僕にはわかりませんが、人間関係が濃厚な地方と、希薄になりやすい都市部とでは、職員室の雰囲気にも大きな差があるかもしれません

■ 飲み会から見る、職員室の人間関係 基本的に、今の教員同士で飲みに行くとか、食事に行くということは少ないと思います。それでも、人数の多い若い子たちは月に1回くらい食事に行ったりすることはあるようです。

昔は「野郎会」(男子だけで飲みに行く)なんていうものもありました。行事の後や研究授業の後などにも飲みに行く機会がありましたが、今はほとんどない気がします。 ハラスメントへの配慮もありますし、昔ほど人間関係が濃厚ではないからかもしれません。やっても、5月の歓送迎会と12月の忘年会くらいでしょうか。それも強制ではないので、全員が参加するわけではありません。 前回も書いた通り、年代間の差が大きく、感覚のずれも大きいのです。その辺りも現在の人間関係に影響しているのでしょう。

まあ、仕事にプライベートを持ち込む必要はないので、その程度のドライな人間関係でも問題はないと思います。ただ、ちょっとした愚痴を言ったり、相談したりできる相手は、やっぱり必要ですよね。

2026年3月13日金曜日

世代間の差があっても、共感はしないとね。

40年前、通知表はすべて手書きでした。全教科の所見を年3回書き、さらに行動欄や特別活動欄、総合所見まで手書きで埋めていたのです。小さな枠に文字を詰め込むため、0.3mmの極細ペンを使い、修正液は使用禁止だったため、間違えた時は電動消しゴム(今の若い方はご存知ないかもしれませんね)で慎重に消していました。

テストの成績処理も、パソコンが普及していない当時は、ノートに記録した点数をひたすら電卓で計算する時代でした(もっとも、私は自分のパソコンを持っていたので、自作のプログラムで計算していましたが)。こうした時代を知っているのは、今の50代以上の教員でしょう。その後、20年ほど前にExcelの通知表フォーマットを作成し、周辺の学校にも配布しました。パソコンを使えるようになっても、通知表の作成には20時間前後かかっていたと記憶しています。手書き時代は、さらにその倍近くの時間を費やしていたことになります。ただ、当時は今よりも会議などが少なかったため、子どもたちが帰った後の教室にこもって、ひたすら書く時間を確保できていました。

ここで言いたいのは、「昔は大変だった」という自慢ではありません。手書き時代を知らない若い世代にとっては、パソコン処理が当たり前です。だからといって、彼らの仕事が「楽になった」わけではないのです。今は出席日数の表記や総合所見、行動欄がなくなり、文章による所見を一切記載しない学校も増えました。それでも、その体制になってから教員になった人たちにとって、通知表の作成は依然として大きな負担なのです。

自分の過去の経験だけを基準にしてしまうと、ここ数年で教員になった人たちの本当の苦労は見えてきません。私たちが感じた大変さは、その時代を共有した人にしか分からないのと同じです。決して自分の経験を絶対的な基準にして、今の状況を語らないよう気をつけなければならないと自戒しています。

例えば、最近は教室のワックスがけをアウトソーシング(外部委託)する学校が増えました。剥離剤とポリッシャーで床をきれいにしてからワックスをかけるなんて、本来なら教員がやらなくてもいい作業ですが、以前はみんな自分たちでやっていました。これは、かつての非効率な業務の典型例です。教員にそんな作業をさせていたこと自体が問題なのであって、「自分たちはその苦労をしてきたから」と、それを今の基準にする必要は全くありません。

この40年間の学校現場の変化は非常に大きいものです。だからこそ、昔の苦労を基準にして「今は楽になった」と決めつけるべきではありません。大変さの形は、時代とともに変化していくからです。もし「昔より楽そうだ」と思ってしまったとしても、それは心の中に留め、今の時代ならではの大変さに寄り添い、共感する姿勢を持つことが何より大切だと思います。

2026年3月9日月曜日

FAXを使っているのはダメですか。確かにDXじゃないですね。

今日、ニュースで「小中学校の7割がFAXを使っている」と言っていました。 実際のところ、職員室には今もFAXがあります。利用頻度は低いですが、使っているのは事実です。その理由は大きく3つあります。

1. 教育委員会や学校給食会からの緊急連絡 給食に入っていないはずのものが入っていることが分かったとか、アレルギー対応などについての緊急の知らせが届くためです。

2. 学校には「メールを見る習慣」が意外と根付いていない 現在は欠席や体調不良の連絡がアプリで行われるようになったため、担任は必ずアプリを起動してチェックします。事務職員も、委員会や業者とやり取りをするので比較的メールを見ているかもしれません。

ところが、委員会からのメールは「誰が見るか」が必ずしも決まっておらず、誰もチェックしていないという事態が起こり得ます。学校宛てのメールは全員に届くわけではなく、校長宛てのものや、基本的には校長・副校長・事務職宛てに送られてきていました(他の職員に送るよう設定することもできましたが)。

しかも、「何時までに必ずメールをチェックする」というルールもありません。ですから、朝にメールチェックをしない校長や副校長がいてもおかしくはないわけです。そうなると、委員会側も「緊急の用件をメールで送るのはリスクがある」と考えても不思議ではありません。

3. 業者側の事情 業者によっては「FAXで」と指定されることがあります。給食を納品している会社の一部など、メールを使う習慣がない場合や、注文書に押印を求めてくる会社もあるため、どうしてもFAXが必要になります。

デジタル化を進めたい文科省としては、早くすべてをデジタル化しろと言いたいのでしょうか。 確かに、今の管理職世代は、メールチェックの重要性をそれほど感じていないのかもしれません。僕は、必ずしていましたが…。

2026年3月6日金曜日

【ニュースから考える】なぜ教員免許取得者は増えているのに教員不足が起きるのか

今朝のニュースで、教員不足が大きく取り上げられていました。昨日、文部科学省から発表された「教員不足」に関する実態調査の結果を受けた報道です。このニュースを見て、改めて現在の教員採用のアンバランスさについて考えさせられました。


■ 国立偏重だった時代から、私学で免許が取れる時代へ 私が大学を受験した頃は、小学校の教員になりたければ基本的に旧師範学校の流れをくむ国立大学の教育学部に行くのが当たり前でした。私立大学で免許を取得しようとすると選択肢は極端に狭く、理系が苦手で私立に進んだ私の周りでも、関東で免許が取れる私立大学は当時7校程度しかなかったと思います。 しかし、今は200近い私立大学で小学校教員免許が取得できます。資格取得を大学の売りにする学校が増えたためです。

■ 免許取得者は3万5,000人。なのに倍率は2倍未満 1980年代には約3万人だった小学校教員免許の取得者は、現在では年間約3万5,000人にまで増えています。 一方で、1年間に必要とされる新規の教員数は1万5,000人を切る程度です。計算上は採用試験の倍率が2倍を大きく超えるはずですが、現実は大半の自治体で2倍を切っています。 つまり、「教員免許を持っている人を増やす」という施策だけでは、教員不足は全く解決しないということです。

■ 学生が教職を敬遠するリアルな理由 SNSを開けば、現場からの悲痛なリポートが多く目につきます。教員免許を取得するための教育実習で、現場の余裕のなさを目の当たりにして嫌になってしまう学生も少なくありません。また、民間企業が高い初任給を提示していることも、他業種へ人材が流れる大きな要因になっています。

■ 今までの慣習にとらわれない改善策を 以前から繰り返し主張していますが、まずは以下のことを進めるべきです。

  • 業務時間を明確にし、保護者にもしっかり伝える

  • 夏休みを確実に取得させ、新しい「職業的な売り」にする

  • AIを効果的に利用し、事務作業などの業務軽減を図る

これだけでも、職場としての魅力は大きく変わるはずです。もちろんその他の施策も必要ですが、現場にはすぐにできる改善策がたくさん眠っています。これまでの慣習にとらわれず、本気で改善する努力をすべき時が来ています。

2026年3月1日日曜日

臨任に登録してくれる人、いませんか。

最近、こんな話を聞きました。 ある学校で産休に入る先生がいたのですが、代替の臨任(臨時的任用教員)が来ないそうです。担任を空けるわけにはいかないので、児童指導専任の先生が担任代行をしているとのこと。さらにその学校では、もう一人療休(病気休暇)に入った先生もいて、そちらは専科の先生が担任代行を引き受けているそうです。

同じ時期に二人の欠員が出る。現場ではありうる話ですが、管理職の視点から見ると、この2つのケースは性質が全く異なります。

産休の場合、妊娠が分かり出産予定日が見えてくる頃には、校長は教育委員会へ「〇月に産休に入る職員がいるので手配をお願いします」と連絡を取ります。つまり、教育委員会の人事担当者は、半年も前から「〇ヶ月後に産休代替が必要になる」と分かっているのです。以前なら、これで無事に事は進み、手配が完了していました。産休代替は「予定が立つ欠員」なのです。 一方、療休は突然の出来事ですから、すぐに対応するのが難しいのは十分に理解できます。しかし、今は「予定が立っているはずの産休代替」すら見つからないという異常事態が起きているのです。

実は、臨任の先生の給与は正規職員と遜色がありません。自治体によって差はありますが、新卒であっても月給30万円以上を提示する自治体もありますし、40代・50代のベテランになれば50万円まで段階的に給与が上がる自治体も存在します。

しかし、ここに別の根深い問題があります。「教員経験者が、果たして再び臨任としてフルタイムで働きたいと思うか」ということです。 以前も書きましたが、現在の学校の「働き方」自体が嫌で辞めた人は、待遇が良くても臨任を引き受けるとは思えません。定年退職後の先生方も同じ気持ちでしょう。その結果、「フルタイムの臨任は負担が大きいけれど、非常勤講師なら引き受けてもいい」という流れになるのです。

この非常勤講師の働き方も、自治体によって勤務時間の上限が明確に異なります。東京都なら週26時間、横浜市なら週29時間、川崎市に至っては週35時間といった具合です。これを主たる収入源にするか、あるいは兼業前提で働くかなど、働く側の目的によっても選択肢が変わってきます。

いずれにしても、「臨任としてフルタイムで現場を支えたい」と登録してくれる人が決定的に不足しているのが今の教育現場の現実です。 学校現場は、教員が離れていかないよう「働きやすい職場づくり」に今すぐ本気で取り組まなければ、この先もずっと人員不足に悩まされ続けることになるでしょう。

2026年2月22日日曜日

定時退勤のメリット・学ぶ側の心理を知る重要性

定時退勤の最大のメリットは、自分のための時間を作れることです。それだけで心身ともにリラックスできますし、学校の出来事や子どもたちのことを一旦忘れる時間を持つことを強くお勧めします。オンオフの切り替えがしっかりできれば、日々の辛い気持ちも少しずつ軽減されていくはずです。

そしてもう一つお勧めしたいのが、文化的なことやスポーツなど「何かを学ぶ時間を作る」ことです。これは単なるリフレッシュの目的だけでなく、「自分が学ぶ側に回る」という点に大きな価値があります。 例えば、トレーニング中にトレーナーから的確な一言をかけられると、それだけで内容が大きく改善することがあります。自分だけでは気づかない点を指摘される効果です。私たちは普段、常に「教える側」にいるため、どのような指導が本当に効果的なのかを客観的に実感しにくくなっています。だからこそ、自分が学習者の立場に立ってアドバイスを受ける経験が不可欠なのです。

また、指導者によって指摘の仕方や技術的な説明の仕方は千差万別です。「どう教えられると理解しやすいか」を自分自身で体感することは、日々の授業や生徒指導の引き出しを増やすことに直結します。

さらに、自分自身が「上達する喜び」を再確認することも非常に大切です。子どもたちは誰もが「上達したい」「理解したい」と望んでいます。彼らに諦めさせることなく、少しでも前進している事実を伝えてあげることは大きな意味を持ちます。学年が上がるにつれて学習に諦めを抱く子どもを出さないためにも、まずは先生自身が学ぶ側になり、励まされ、褒められる経験を味わってほしいと思います。

朝が早い職業なのですから、一般の人よりも早く帰宅できるのは当然の権利です。この環境をチャンスと捉え、ぜひ定時に帰り、ご自身の時間を最大限に有効活用してください。

2026年2月12日木曜日

これからの先生たちの働き方について考えてみたい


これからの先生たちの働き方について考えてみたいと思います。

先生の仕事の中核は「授業」です。何よりも優先すべきは授業です。 今後、AIの導入によって授業の形は大きく変わるでしょう。しかし、「AIを活用するための基礎力」を育てるという本質は、何ら変わるものではありません。

「読む力」「書く力」。これらはAI活用の授業になっても不可欠です。AIへの指示(プロンプト)が音声であれキーボードであれ、的確に入力するためには言語的な基礎力が求められるからです。また、そもそも「問いを立てる(疑問を持つ)力」も必要であり、そのためには基礎知識も欠かせません。 これらは現在の授業でも重視していることです。つまり、AI時代になっても「授業をしっかり行う」という重要性は変わらないのです。

子どもたちが疑問を持ち、それを解決しようとすること。 今まで以上にこうした姿勢が必要になります。授業では子どもたちにしっかりと考えさせ、その手段としてAIを使わせていくべきでしょう。

一方で、授業以外の事務作業はDXによって大幅に削減できるはずです。 テストはスキャンして自動採点し、文書作成もAIで大方解決できます。指導案、教材、習熟度確認プリントなどもAIが作成してくれるようになるでしょう。評価業務も、日々のデータ入力さえ行えば、集計・分析はAIが担ってくれます。 ドリルはAIドリルに、行事計画書やしおり作成もAI活用で効率化できます。すでに週案などは専用ソフトでかなり楽になっている実感があります。

こうして事務作業の多くをAIに任せることで、先生は本来の仕事である「授業」に集中できるのではないでしょうか。 全国的な進捗状況は様々ですが、「授業こそが先生の仕事である」ということは間違いありません。 もちろん保護者対応など、他にもやるべき業務はありますが、「先生は授業をする人だ」ということを社会全体で再認識し、そこに集中できる環境をつくることが大切だと思います。

2026年2月8日日曜日

働き方改革の実態

  働き方改革は進んでいないのが実態じゃないでしょうか。統計的な値では進んでいることになっています。例えば、月の時間外労働時間が減っている。月に45時間以上勤務している人の割合が3割以下になった。これらは、教育委員会を通して、文科省に伝わっているデータです。実際、時間が労働の時間が減少しているのは事実だと思います。働く時間を短くするための努力は、各自していると思うのです。学校の組織としても、午前中5時間を実施し、子ども達の下校時間を少しでも早めようと努力したり、会議をなくしていこうとしたり、校内の授業研究会を止めたりとか、ともかく時間外労働時間を減少させることに取り組んでいると思います。

 しかし、これって、何ら抜本的な改革ではないわけです。教育DXを進めることで、労働時間の短縮を図ることも同時に進んでいます。教育DXの効果は抜群だと思います。例えば、週案の作成時間を極端に短くすることができるようになりました。テストの丸つけも、スキャナで読み込み、画面上での採点を行い、数値処理はアプリにお任せできるようになってきました。図工の評価も、デジカメでプロセスをとり、評価に活用することで、メモだけではわからない部分を見ることができるようになっています。体育でも同じことが言えます。成績の評定なども、ちょっとした記録だけで、解決することができるようになっています。グループウェアの活用も、会議や情報の共有化という点では各自に進んできています。

 50代よりも上の人たちからすれば、これらのことは、非常に働き方改革を進める上で大きな効果を上げていると感じると思います。

 しかし、40代よりも下の先生たちにとっては、これらは、当たり前のことであり、別段驚くようなことではないのです。スマホが普及し、デジタル情報を処理することに慣れている先生たちにとっては、アナログだらけだった教育現場の方が不思議な正解だったかもしれません。通知表に文章での起債が無くなったことで、通知表を作る時間が何十時間も減っていく。すごい改革だと思うのですが、最初から文章での記載がない先生たちにとっては、何ら改革ではなく、通知表は大変な仕事なのです。

 働き方改革を進めるためには、定数法の改正が必要です。これまで、何十年もの間、仕事量を増やしたにもかかわらず、教員の定数をまったく増やしてこなかったことのつけが回ってきているのです。もちろん、やっていることややらされていることを減らしていかなければどうにもならない面もあります。

 表面的には働き方改革が進んでいるように見えるかもしれません。しかし、それは、表面的なことだけであり、数値の問題だけなのだと言いたいです。


2026年2月7日土曜日

1人先生が不足すると、どうなるんでしょう。


  学校は、人事の季節になります。特に大きいのは、人事異動です。今は、数年前には考えられなかったことが起きています。それは、定数臨任と呼ばれるものです。定数を正規の先生で補うことができず、4月の最初から臨任の先生が着任することを指します。まあ、人数が足りているんだから十分じゃないという声もあるかもしれません。しかし、1人でも、大きな影響があるんです。以前は、臨任は採用試験に落ちた人がなるケースが大方ような気がします。先生になる意思はあるけれど、採用試験に受かっていない浪人状態の先生です。これは、採用試験の枠が狭く、5倍以上の倍率だったというのが理由です。しかし、今では、採用試験に落ちることが珍しいぐらい倍率も下がっていますので、浪人というケースは減っているかもしれません。でも、浪人という形の作用の人も一定数いると思います。それから、再雇用状態の先生もいます。これは、65歳以上の先生もいるということです。小学生から見れば、おじいちゃん、おばあちゃんになりそうですよね。それから、正規にはなりたくないというケースです。正規になり、様々な業務を抱えるのは嫌だという場合に、臨任や非常勤を選択するというケースも出てきます。いずれにせよ、学校としては、正規の先生を配当してほしいわけです。それじゃなくても、小学校は先生の人数が少ないのです。

 その理由は、教員の定数に関しての規定です。小学校の先生の人数は単純に言えば、学級数×1.1何です。実際にはこれほど単純ではないようですが、おおよその数としては、学級数の1.1倍だと思っていていよいと思います。14学級(個別支援学級を含みます)だと15.4人になります。ですので、15人の先生ということになります。15学級だと16.5になり、17人の先生ということになります。まあ、14学級以下の場合は、だいたい非常勤講師をつけてくれますが、正規の人数は2人差がつくという形にな

ります。3人プラスになるためには、25学級なければいけません。

 人数が少ないと、一人当たりの授業時間も多くなってきます。僕は、一人当たりの授業時間が22時間以下になるように考えて、人事配当をしていましたが、その辺は、校長の考え方やや学校としての考え方により、違いがあります。授業時数が22時間と言っても、29時間中の22時間ですから、毎日4時間以上授業をすることになります。

 ですので、1人の占める割合がとても全体に大きな影響を与えているんです。

 今週は、これらのことをもう少し細かく書いていきたいと思います。

 疑問や質問があればコメントをください。

2026年2月5日木曜日

卒業文集書かなきゃだめですか。

 卒業文集って、年々大変な作業になってきたような気がします。大変がたくさんありすぎます。
 まず、書かせることが大変です。これは、学校によって異なってきます。学校間格差って、実際にあります。全体的に学力が高い学校では、書かせることにそれほど問題はないのです。でも、書かせるのが大変な子どもが何人もいろと、時間も手間もかかってしまいます。一文ずつ、一対一で聞き取りながら、先生が子どもの行った言葉を書き留め、進めたこともあります。そして、先生がまとめて、それを書き写させるという作業になります。パソコンを使わせて書かせたこともあります。その方が、手書きで作るより楽なのは間違えありません。手書きの場合、鉛筆ではなくペンでの清書になります。間違えると、修正テープで修正します。一文書いた後に、気がつけばよいのですが、下記進めてからの修正は、修正テープでは間に合わず、原稿を切ったり、はったりしながらの作業になります。
 書き終わってから、家に持ち帰り、原稿を家庭で見てもらいます。保護者が了解できる内容化をチェックしてもらうわけです。この部分は、書いてほしくないということを見てもらうわけです。
 その次に、他の担任や副校長、校長にも読んでもらい、不適切な表現がないか、差別的な表現がないかをチェックしてもらいます。ここまでの作業を1カ月くらいかけて行っています。
 働き方改革だから、やめようというよりは、作業が煩雑になり、それでも、書き終わってから問題になるようなことが出るようになってしまったことが大きな理由だと思います。不適切な表現が問題視され、回収などの例も出てきました。
 一番問題になりやすいのは、クラスのページかもしれません。クラスの○○ランキングなどがよくありますが、その中に問題になることが隠されていたりするわけです。ですので、クラスのページをなくすということもあるかもしれません。子ども達には悪意がなくても、大人が見た時、問題だということも多くあるわけです。
 そして、一人一人かかる時間に差があることも問題なのでしょう。早く終わる子は、さっさと仕上げてしまいます。その子たちがクラスのページを作っていることが多いのですが、そのことも、問題になると思います。

 今や、卒業アルバムも問題になっていると思います。値段も高いです。アルバムも意外と編集に時間がかかります。全員が同じような枚数で乗せられているのかをチェックしたりするからです。名簿を片手に、誰が何枚写っているとチェックするんです。これも、クレームが付くポイントです。
 そういう時間の使い方をするより、卒業までの時間を思い出に残るものにしようという意図が、アルバムや文集づくりをやめる最大の理由だと思います。
 卒業アルバム、文集、作らなきゃダメですか。

2026年2月1日日曜日

小学校1年生の基礎学力をしっかり身につけさせたい

小学生の基礎学力低下が話題になりますが、やはり鍵を握るのは低学年での基礎学力ではないでしょうか。

小学校1年生の段階で、ぜひ身につけてほしいことが3つあります。

1つ目は、文字の習得です。 平仮名とカタカナを読み書きできること。そして、教科書程度の文章をしっかり音読できること。 これはすべての学習のベースになります。ここができなければ、他の教科でも前に進むことはできません。

2つ目は、数の感覚です。 数と具体物(おはじきやリンゴなど)が頭の中で結びついていることが大切です。 中でも意外と重要なのが、**「10の構成(いくつといくつ)」**です。 「1と9」「3と7」といった10の構成が瞬時に出てくるかどうかで、その後の計算力に大きな差が出ます。私は、これは九九を覚える以上に大切なことだと感じています(九九は忘れても足せば答えが出ますが、10の構成は感覚的なものだからです)。


3つ目は、学習習慣です。
特に「先生の話を聞くことができる」こと。これはどんな学習でも必須の力です。もちろん、これには私たち教師側も、子どもが話を聞きたくなる環境づくりに努める責任があります。 また、「45分間座っていられること」や、鉛筆を正しく持って「手先を自由に動かせること」も大切な要素です。

どんなに新しい学習法を取り入れても、この基礎部分ができていなくては成果は上がりません。 AIを活用する時代になっても、AIへの指示を言語化したり、回答を読み解いたりするための「言葉の基礎」は絶対に必要だからです。

今は幼児教育が進み、入学前から読み書きができる子も多いですが、小学校に入ってから改めてしっかりと「学びなおす」姿勢が大切だと思います。

2026年1月26日月曜日

校長をやっていた時、一番考えていたのは来年度の学年構成


  2月末から3月の中頃にかけて、人事異動の話が進んでいきます。教育委員会から次年度の勤務地を言われた先生が面接に来ます。なので、実際には3月の10日くらいまでは、学年のことを考えても、考え直さなければいけないかもしれないわけです。例えば、初任者が何人来るのかによって、変わる部分も多くあります。異動してくる先生によって、変えなければならないことだってあります。妊娠しているとか、メンタルに課題があるとか、いろいろなケースがありますから。

 それでも、段階を踏んで考えていかなければなりません。多くの場合、先生たちに来年度は何年を持ちたいかを聞くようですが、僕は、先生たちに希望の学年などは聞きませんでした。それよりも、実際に話をして、何故そう考えているのかを聞いた方がよいと思っていたからです。

 いろいろな考え方がありますが、僕は、先生たちが1年生から6年生まで、どの学年でも、担任をすることができますという必要はないと思っています。1年生と6年生では、扱い方が異なってきますし、教える内容も、方法も異なっています。1年生のエキスパートですという先生がいれば、1年生を何回でもやってもらえばよいと思います。同様に、6年生のエキスパートであれば、毎年6年生を受け持ってもよいと思います。確かに、オールマイティな先生がいれば、足りなくなった部分を補ってもらえますから、とてもよいのですが、一番得意なものがあれば、それを生かすという方がよいと思います。

 もう一つは、同じ学年をもつという方法です。毎年、同じ学年を持つのは、ある意味合理的です。教える内容をしっかり理解できていますし、子どもの扱い方も、行事の進め方も、円滑に進めることができます。

 ただ、この2つは、先生達にはあまり評判がよくありません。同じことを繰り返すことが、刺激がないと感じるようです。そして、オールマイティにできる方がよいという考え方があるからでしょう。


 そして、先生たちの組み合わせというのも、先生たちが拘ることの一つです。

 学年を決めるとき、学年を運営していくうえで中心になってくれる先生を決めます。ですから、1年生から6年生、個別支援級、児童指導選任など、8人を配置します。そして、その8人に他の先生達を配置するわけです。男女の性別、キャリア、得手不得手、何年生の担任をしたことがあるのかなどを考慮して、決めていきます。その中に、相性という項目も入ってくるわけです。小学校は小さい組織ですから、ほんの数人で話し合い、進めていくことが多いわけです。ですから、1年間、一緒に過ごす人が誰であるかはとても重要なファイクターになるわけです。

 これらのことを考え、1月あたりから考えに考え、担任の配置を考えていました。

2026年1月11日日曜日

元校長が考える。これって、パワハラか指導か。どっちなんだ。


  校長をやっていると、逃げるわけにいかない「指導をしなくちゃいけない。」場面があります。指導法や授業改善などを求めなくちゃいけないときがあるわけです。これは、該当する先生に対してだけでなく、他の先生にも影響するので、避けることはできません。

 例えば、書類の提出期限が守られないときは、やはり注意します。学級の状態が悪く所謂「学級崩壊」に向かっている場合もそうです。これは、子ども達にも大きく影響しますから、禍全の方法を一緒に考えなくてはいけませんし、指導もしなくてはならないと思います。

 ですが、最近では、この手の指導も「パワハラを受けた」と解釈する先生もいるようです。

もちろん、職員室で、みんなが見ている前で大きな声を出して怒るとか、校長室に呼び出して、1時間もお説教するなどの行為があれば、十分にパワハラに値するとは思います。さらに、辞めてしまえなどの暴言もアウトだと思います。

 しかし、校長室で、静かに話をしていても、納得を得ることができなければ、指導したつもりでも、パワハラを受けたと捉えられることも多くなってきていると思います。学校という組織の特性上、指導する校長は、基本的に優位な立場あり、言葉遣いや接し方を注意しないとパワハラに該当すると受け止められやすいのです。ですので、指導をする場合でも、一対一での対応はリスクを伴って家いると言えます。最近では、スマホを全員が持っています。その録音機能を使っていることも十分考えられます。録音されていることを前提に、副校長や教頭と一緒に対応していくことが必要なのだと思います。


 でも、難しいですよね。特に、若手に対しての接し方は。昨年度の東京都の初任者の離職率は5%を超えているようです。以前は、初任者がやめるなど、実際にはほとんどなかったと思います。東京都で起きていることは、今後全国に波及していくと思います。教員不足で苦しい状態がさらに苦しくなってしまうと思います。何とか、校長も含め、みんなで支えあうことができる職場にしたいものです。そして、校長からのパワハラなどといわれないように、最新の注意を払って適切な指導をしてほしいものです。

2026年1月9日金曜日

元教員が伝授! 学校現場で「定時」に帰るための時短仕事術

 


どうやって仕事をしたら定時に帰れるのでしょう。経験から言えば、

1.優先順位を明確にする。

 小学校ですから、学級担任が大半です。まず、必ずやらなければならないことを明確にすべきです。必ずやらなければならないのは、学級に関することです。テストや提出文書などは、処理する時間を初めから設定しておきましょう。テストは、いつやるかを子ども達に伝えていると思います。それに合わせて、テストを採点する時間を^設定しておきます。子ども達に、いつ返却するかを伝えることもポイントです。それをしておけば、必ず業務としてやらなければならないことになりますから。そして、市販のテストであれば、裏表30分以内に処理しましょう。丸を付けるのなら、丸を付ける道具からこだわってください。少しでも早く処理できることが大切です。今は、スキャナーで読み込み、処理することもできるようになっています。それらを使い、1分でも早く処理できるようにすることが大切です。


2.メールのチェック。

 これは、習慣としてできるようにしましょう。毎日ルーティーンとしてやることができれば、問題はありません。特に、保護者とのやり取りは早いレスポンスが必要になります。早く処理してしまえば、あとの業務に影響が出なくなります。

3.教材研究

 時間をかければ、かけただけ成果は上がるかもしれません。しかし、時間は有限です。年間通して、自分の中で重点を置きたい教科を決めましょう。重点を置くと決めた教科には、明日どのような授業展開にすればよいかを考える時間を作ります。その他の教科も同じようにしたいのですが、それは、無理があります。その他の教科については、教科書を確認する程度で済ませるしかないと思います。

4.会議を

 学校の中で、一番時間を費やしているのは会議かもしれません。会議になっていればよいのですが、雑談的になることも多くないですか。まず、その日の会議のゴールをはっきりさせます。次に、会議の終了時間を明確にします。それだけで、会議の進行が変わってきます。そして、会議のために費やしていた時間を取り戻すことができます。

5.定時後の過ごし方を明確にする

 学校を出たら、どうするのかをはっきりさせておいた方がよいです。友人に会うとか、趣味の時間として利用するとか、食事をするでも、お茶を飲むでもよいのですが、定時が終わったら、こうやって過ごそうと決めておく、約束しておくことが、時間を有効に使うために必要だと思います。何もないと、そのまま学校でダラダラ過ごしてしまうことも多くなります。

2025年12月23日火曜日

心の病


  他の職種より、学校の先生がメンタルな面でお休みに入ってしまうことが多いと、言われています。全国統計でもそれははっきりしていますが、実感として、メンタルの不調を訴え、お休みに入る例を多く見聞きします。

 小学校は、学級担任制を基盤としていますから、メンタルの不調を訴える先生が多く出るのも理解できます。学級担任制は、初任の先生だろうが、ベテランの先生だろうが、関係なく、学級全体に対しての責任をもつことになります。その重圧は、かなり重く、学級経営が上手くいっていないときには、教室に向かう廊下や階段が遠く感じます。

 その重圧を小さくするために、チーム学年・学級経営などというものも出てきているのだと思います。ですが、どのような形をとっても、今の体制では、メンタルの不調を訴える先生は減らないような気がします。

 もともと、学校という権威を利用し、その権威を背景に先生たちは学級経営をしてきたわけです。先生の言っていることは絶対とは言いませんが、先生が言うことは子ども達の考えの指針となるものだったはずです。ところが、今の子ども達にとって、権威を背景にしての指導は通用しなくなっていると思います。子ども達も多くの情報に触れています。塾に通っている子供も多いですし、楽しい授業や分かりやすい授業をすることが、とても大切になっていると思います。そういうことができないと、授業に集中できない子供が増え、学級を制御できなくなるのです。



 学校運営をする中で、低学年から、高学年まで、いろいろな視点を持たなければいけませんが、どの先生をどこに配置するかが大きなポイントになると思います。低学年から、授業を楽しませることができなければいけませんが、段階により、楽しませる手法や方法が異なっています。それを考え、学校運営をすることが、まずは大事になると思います。

教頭職の多忙さを考える:10年前の経験と教育DXがもたらす変化

私が教頭職を務めていたのは10年ほど前までですので、現在の状況とは異なる部分もあるかもしれません。当時は「教頭は校長より早く出勤し、校長より遅く退勤する」という暗黙の了解のような空気がありました。しかし、私はそれを頑なに守る必要はないと考えていたため、自分の仕事が終われば校長より...