ここ2.3年流行っているのが、午前5時間授業です。僕も、午前中に5時間実施するという経験をしました。実際に実施してみて、先生たちの感想は、「よい」というものでした。ですので、それ以降のその学校では、午前5時間授業を実施しています。
じゃあ、何がよいのかですが、おそらくよく言われるのが、子ども達の下校時刻が早くなるということです。働き方改革の一環としてとらえられていると思います。確かに、午前中5時間やってしまえば、午後は最大で1時間授業をすればよいわけです。ですので、下校時刻がうまくやれば14時過ぎになるというのが売りになります。
しかし、問題点もあります。給食を実施している場合、早くても、給食の時間は12時。遅くても12時30分には、給食を開始しなければなりません。その制約があるために、思っているほど子ども達の下校時刻を繰り上げることはできません。午前4時間授業でも、下校時刻を15時前にすることは可能です。まあ、1時間近く早くなっていますから効果がないとは言えませんが。問題点の2は、1年生の授業時数が大幅に多くなってしまうことです。1年生の授業時間は、週に2から3回は4時間目までで授業が終わります。それで、ちょうど授業時数が合うわけです。しかし、午前5時間授業だと、100時間以上指導要領に書かれている標準時数よりも授業時間が多くなってしまいます。ほかの学年が、授業時数を減らしている中、1年生にだけ、授業時数が増えていくのは、一考の余地があると思います。もう一つの問題は、40分授業です。午前5時間を45分授業で実施しようとすると、やはり始業を早める必要があります。そうすると、文科省が出しているように40分授業を選択するということになります。あまりうるさく言われていないので、よいのかもしれませんが、標準事業時数は、従来のままという条件が残されている現状では、いろいろと40分授業には問題が出てきます。国語や算数は、繰り返し練習をした方がよい内容があります。理科や社会も、それなりに工夫することができると思います。ですが、図工や音楽、体育、家庭科などは、そうはいかないと思います。8時間実施すると、9時間目が必要になるわけですが、それに合わせて、授業時数を調整するのはとても難しいと思います。
昔々のお話ですが、45分授業と40分授業をめぐってはいろいろと論争がありました。文科省が40分授業は認めないといったために、全国小学校は45分授業の実施をしてきたわけです。休み時間についても、ゆったりと休み時間をとれという方針の時代があり、小学校は、かなり長い休み時間を設定していました。それらの経過を、全く無視して、新しい制度を現場の声として進めようとしている気がします。
もし、新しいことを始めるならば、新しい考え方をしっかりと中核に据えて実施すべきです。中途半端なことをやれば、また、矛盾点が出てくるような気がします。
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