教員採用試験は、この40数年間に大きく変容してきました。僕が採用試験を受けたのは1981年です。この年は、試験内容が大きく変わった年でした。実技試験が実施されるようになったのです。記憶が定かではありませんが、オルガンでの弾き語りや水泳、器械運動などが試験科目にあったような気がします。いくつかの自治体を受験したのですが、どこも同じような試験内容でした。
ちょうどこの頃、前時代の大量採用が終わり、採用者数が「激減」したのだと思います。採用枠が狭き門になったからこそ、一人ひとりをじっくり見る実技試験を実施できるようになったわけです。僕の上の世代はまさに大量採用時代で、地方まで教育委員会の人が学生の勧誘(あいさつ回り)に来ていたこともあったようです。
その後、1990年代になると教員採用がほぼなくなり、採用数が極端に少ない「氷河期」を迎えます。今の50代の先生方は、本当に大変だったと思います。臨任(臨時的任用教員)を何年も続けながら、採用試験に挑戦し続けた方も多かったはずです。
それが、2000年を過ぎたあたりから再び状況が変わってきます。第2の大量採用時代の到来です。当時のベビーブーム世代が一斉に定年退職を迎えたことから始まりました。さらに、35人学級への移行に伴う教員の需要増も拍車をかけています。
これまでにも何度か触れてきましたが、SNSで広まった教員のブラックな働き方のイメージや、民間企業の好景気、少子化による若者の減少などが重なり、現在に至るわけです。
現在の採用試験ですが、各教育委員会はともかく「受験者を集めること」に腐心しています。一歩間違えれば定員割れを起こしかねない状況ですからね。今後は実質的に、一次試験(筆記)が無くなっていく流れになるのかもしれません。
でも、本当にそれでもいいのかなぁと思います。「先生としての最低限の学力が保証されなくてもいいのだろうか」「ペーパーテストの結果なんて関係ない、という声もあるかもしれないけれど…」と。 ただ、現場で教員が「1人不足する」ことのダメージがあまりにも大きい現状を考えると、多少なりとも目をつぶって人数を確保しなければならないのも事実です。ここは非常に大きなジレンマですね。
でも、試験のハードルを下げるような小手先の対策よりも、本当は「教員という仕事がこれだけ魅力のある職場なんだよ」とわかってもらうことの方が、ずっと大切だと僕は思っています。












