以前は、ある程度仕上がった通し練習を校長が視察し、その鶴の一声で急遽変更が入ることもありました。今となっては昔話ですが、とにかく大変な時間をかけていたのです。
コロナ禍を経て、卒業式の風景は大きく変わりました。歌唱数の減少、在校生(5年生)の不参加、保護者の入場制限などが見直しのきっかけとなりました。中には紅白幕の設置をやめた学校もあると聞きます。幕そのものに本質的な意味はないため、それも一つの英断だと思います。そこで見直しの俎上に載せたいのが「呼びかけ」です。証書授与を省略できないとすれば、簡略化の余地があるのはここではないでしょうか。「呼びかけ」は本来、形式的で退屈な儀式から脱却し、子どもたちが主体的に参加できる場面を作ろうと考案されたものです。自分たちで言葉を紡ぎ、声を合わせることで参加者としての自覚を促す意義は、確かにありました。
しかし、今こそその「やり方」を再考すべきです。必要最低限の形式的進行にとどめ、校長や来賓の祝辞を3分以内にするなど工夫すれば、式はもっと短縮できます。そうすれば練習は1時間もあれば十分で、浮いた時間を卒業前のより有意義な活動に充てられるはずです。半世紀も前に「当時の子どもたちのため」を思って考案された形に、現代の私たちが縛られ続けることは、創始者にとっても本意ではないはずです。


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