首都圏の1都3県を見ても、この手当によって大きな差が生まれます。東京23区では地域手当が基本給の20%も加算されるのに対し、千葉県や埼玉県の平均は8%程度にとどまります。この差が積み重なると、50代の年収ベースで約100万円もの開きが生じるのです。
隣接する市町村で生まれる理不尽な給与差
地域手当は、地域間の必要な生活費の差を反映させる目的で、国の人事院や各自治体の人事委員会が等級を定めています。しかし、教員の業務内容はどの地域でも基本的に変わりません。
それにもかかわらず、例えば県内に3つの政令指定都市を抱える神奈川県の場合、横浜市や川崎市に勤めていれば16%の手当がつきますが、それ以外の市町村に勤務するだけで、同じ50代でも年収で40万円ほどの差が出ます。隣接する地域間でこれほどの給与格差があることは、やはり制度的な課題と言えるでしょう。
これが東京都と千葉・埼玉県の比較になれば、先述の通り100万円の差になります。これから教員を目指す方にとって、どこに勤務するかを決める上で、給与は非常に大きな判断材料になるはずです。
プライム上場企業との比較で見える実態
公務員にはストライキなどの労働基本権が認められていないため、代わりに人事院が客観的な数値をもとに給与を算出しています。しかし、過去30年近くにわたり「いかに公務員給与を引き下げるか」という方向で制度改定が重ねられた結果、東証プライム市場に上場するような大手企業とは生涯賃金で大きな差が開いてしまいました。もちろん、プライム上場企業は日本を代表する大企業であり、優秀な人材を集めるために給与の引き上げに躊躇しない側面もあるでしょう。ですから、公務員と差があってしかるべきだという意見もあると思います。実際に民間企業間でも、50代になれば大企業と小企業で倍近い給与差が生じます。
ただ、民間企業と教員の給与を単純に比較することには注意が必要です。教員などの公務員には性別による給与の差がなく、同じ職務・経験年数であれば同一の給与が支払われます。一方、民間企業では依然として男女間の給与格差が存在することが統計からもわかっています。
この点を考慮すると、特に男性に絞って比較した場合、教員と大手民間企業との実際の給与差は、表面的な平均値のデータ(※ここに表を挿入)よりもさらに開いているのだということをご理解いただけるかと思います。
給与の引き上げが無理なら、別の魅力を
深刻な教員不足についてはこれまでも何度も指摘してきましたが、人材確保のためには給与水準の引き上げが本来「マスト」の施策です。
しかし、財政的な理由ですぐにそれが叶わないのであれば、給与面以外で異なったアピールができるように考えるべきです。一つの提案として、夏休み期間中の教員の特別休暇を現在の5日間から10日間に増やすだけでも、教職の魅力を高める有効な手立てになるのではないでしょうか。
皆様はどのようにお考えになりますか?もしご意見があれば、ぜひコメント欄でお聞かせください。
参考資料


0 件のコメント:
コメントを投稿