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2026年2月16日月曜日

給与の話。先生の給与が、バイトの時給より低くてもいいのか。

 ■ バブル期に言われた「公務員の安定」という神話 1980年代、日本の教員の給与は欧米諸国よりも高いと言われていました。当時の欧米の教員は教会のボランティアから発展した歴史があり、給与水準が低かったという背景もあったようです。 私はバブル期にも教壇に立っていましたが、ものすごい勢いで潤っていく民間企業を羨ましく見ていたものです。その際、「公務員は好景気の恩恵は受けられないが、不景気の影響も受けないのだから我慢しろ」とよく言われました。

■ 20年間の「給与据え置き」と管理職の給与カット しかし、現実は全く違いました。いざ不景気になるとベースアップは停止し、気づけば20年近く給料が上がらない時代を経験しました。 上がらないどころか、私が副校長を務めていた時には、かなりの金額の給与カットまで断行されました。管理職である私の方が、同い年の一般の先生よりも給
料が低くなるという逆転現象まで起きていたほどです。

■ 国際比較:いつの間にか開いた欧米との埋めがたい格差 国際比較で見ても、この20年で状況は激変しました。20年前は日本の教員の方が高給でしたが、現在ではドイツの教員の半分程度に留まっています。円安の影響を考慮したとしても、決して教員の地位が高いとは言えないアメリカと比べても、300万円以上の開きがあるのが現実です。

■ 現場のリアル:時給換算「200円以下」を生み出す給特法 しかも、これは純粋な額面だけの比較です。実質的な「時間外勤務の長さ」を考慮すると、さらに悲惨な現状が見えてきます。 例えば、年収400万円程度の20代の若手教員が月に60時間の時間外勤務をした場合、時給換算で1,500円程度にすぎません。さらに深刻なのが「給特法」の問題です。若手の場合、4%の教職調整額は月1万円程度。これで60時間の時間外労働を計算すると、残業代の時給はなんと「200円以下」になってしまいます。

■ 見えない残業:「月60時間の時間外労働」は決して大げさではない この「月60時間」という数字は、極めてリアルな実態です。朝30分早く出勤し、終業後に2時間残るだけで月50時間になります。そこに持ち帰り残業で明日の授業準備や指導案の作成を行えば、プラス10時間などあっという間に超えてしまいます。

■ 結論:自己犠牲を前提としたシステムからの脱却 これまで日本の教育は、現場の先生たちの「献身的な努力」によって維持されてきました。そして社会も、それを当然のこととしてここまで来たのです。 現在、深刻な教員不足が叫ばれていますが、労働力人口そのものが減少している中で、若者がより良い条件の仕事を見つけるのは当然の帰結です。今の50代前後が経験したような「先生になりたくても、競争率が高くてなれなかった時代」とは完全にフェーズが変わっているのだという認識を、私たちは今こそ再確認しなければなりません。

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