2026年4月15日水曜日

メンタル不調を訴える教員が増え、休職に入る人が多く出た

文部科学省が昨年12月に公表したデータによると、メンタル不調を訴えて休職する教員が増加しています。精神疾患による休職者は全教職員の0.77%に上り、休職には至らないものの「1ヶ月以上の病気休暇」を取得した人を合わせると、その数は1万3,310人に達します。さらに、復職できずにそのまま退職に至るケースが約2割を占めており、これは民間企業で精神疾患により休職した職員の倍以上の割合になるそうです。

しかし、これは氷山の一角に過ぎません。実際には、休職や病気休暇を取得していなくても、心を病んだ状態で教壇に立っている先生方はいるはずです。そう考えると、統計の数値以上に、苦痛を感じながら仕事をしている教員が多いことが推察されます。

では、一体何が原因なのでしょうか。考えられる要因を3つ挙げてみましょう。

1.「子どもたちのため」という言葉の呪縛と、終わりのない業務 あらゆる作業や授業準備、話し合いが、「すべては子どもたちのためだから」という言葉で片付けられてしまう傾向があります。一般企業の残業は目標が明確なことが多いですが、教員の業務は必ずしもそうではありません。 授業の準備がそのよい例です。ただ授業で使う物を準備すればよいわけではなく、資料を作り、授業の流れを構想し、他学級との調整をするなど、やり始めればきりがありません。 昨今のDXの流れの中で、テスト用紙をスキャナで読み込んでパソコン上で処理し、スプレッドシートに自動転記されるなど、業務は進めやすくなっています。テストの採点や評価のように「きりのよいところまで進めれば済む仕事」は楽になりました。しかし、先ほどの授業準備のように、経験や知識が必要で、なおかつ「自分が満足するまで終わらない仕事」が現場にはまだまだ多く存在します。

2.職員室、子ども、保護者…複雑な人間関係のストレス 職員室の人間関係には独特の難しさがあります。教員は若手だろうとベテランだろうと、基本的に立場は同じです。若手でも授業や学級経営が上手な先生がいる一方で、ベテランだからといって全く問題がないわけではなく、毎年のように学級に課題を抱える教員もいます。(若手の方が不祥事を起こす割合は高いそうですが、必ずしも若手だけというわけではありません)。

そして、人間関係で最も悩まされるのは、やはり子どもとの関係です。一人ひとり異なる子どもたちと円滑な関係を築けなければ、学級経営は成り立ちません。 加えて、子どもの反応に敏感な保護者の存在もあります。世間では「モンスターペアレント」などと言われたりもしますが、僕が見てきた限りでは、教員側の保護者への対応(初期対応など)が悪いと思うことのほうが多かったです。保護者の言うことが無茶苦茶で、先生が一方的にかわいそうというシーンは見たことがありません。とはいえ、子どもや保護者との関係をうまく築けないことは、教員にとって計り知れないストレスになります。

3.「学級担任制」という密室と孤立 基本である学級担任制は、担任一人にすべてを委ねる形になります。担任がうまく学級をマネジメントできなければ、そこで行き詰まってしまいます。 いわゆる「学級崩壊」と呼ばれるカオス状態に一度陥ってしまうと、他の先生を応援に入れたり、保護者に教室に入ってもらったりしても、どうすることもできません。多くの場合、担任を交代させる以外に手の打ちようがなくなると思います。一度そのような状態になれば、精神的にかなりつらい状況に追い込まれます。「組織的なサポート」という手はよく打たれますが、それが根本的な改善につながるケースは少ないというのが実感です。

これらの要因が重なり、心の状態を維持できなくなってしまった結果、精神疾患を発症してしまうのだと思います。

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