2026年5月6日水曜日

初任に担任させなきゃダメですか。

 

初任の先生の離職率が高いということについては、以前も記事にしました。これまで、初任で辞めてしまう先生はほとんどいなかったのですが、それが今や1割を超えている自治体も出てきていることは、大きな問題だと思います。

聞いた話では、1年経った時点で「本採用には適さない」という校長の意見を聞き入れず、教育委員会が本採用にするよう指示してきた例もあります。(※教員は、最初の1年間は「条件付採用」となっています)。これも以前であれば、考えられなかったことです。実際、本採用にしてもらえず裁判を起こした例もあるくらいです。

1年で見切りをつけるという決断も一つの選択肢ですから、決してそれを否定するものではありません。しかし、現場で見て「教員を続けることは難しい」という判断があっても、辞めさせたくない教育委員会があるという事実が問題だと思うのです。

初任者研修についても、以前書いたことがあります。法定研修ですから、かなりの予算をつぎ込み、時間をかけて研修を行っています。しかし、そんなことをするよりも、まず1年間じっくりと育てることが大切ではないでしょうか。そのためには、小学校では「最初の1年間は担任を持たせない」というのが、唯一の解決法だと考えています。これは、私が実際に校長をしていたときに試みた手法でもあります。

今の時代、4月の始めからいきなり学級担任を任せるというのは難しいのだと思います。どんな仕事でも、4月の頭から「仕事は任せた。よろしく。」と言って丸投げすることはないでしょう。「今日から営業担当だ。取引先のリストを渡すから、1人で行って契約を成立させてこい。」なんて、ありえない話ですよね。

確かに、大学の4年間でそのための学習をしてきていますし、教育実習も4週間経験しています。だからと言って、「今日から担任よろしく。」というのはやはり無理があると考えています。

ですので、私の学校では、高学年や中学年の教科担任として理科などを担当してもらい、特別活動や道徳などは信頼できるベテランの先生のもとで、実際に授業を見せてもらったり、一部の授業をさせてもらったりする形をとってきました。個人面談の際なども「副担任」という立場で同席させ、保護者とのやり取りを学んでもらいました。

人員が不足していなければ、このような形を今でもとることはできます。しかし、学校には様々な事情で担任を持つことができない先生もいます。正規の教職員だけで構成されていればよいのですが、それが叶わない状況も多々あります。そうなると、初任であっても担任を任せざるを得ないわけです。

初任者研修に多くの時間を割くよりも、OJTとして、担任を持たずに実践と研修を兼ねる「形」をとることが、今の教育現場には必要なのではないでしょうか。

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