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2026年3月5日木曜日

すべての学年を担任できるのが「良い先生」なのですか。

すべての学年を担任できるのが「良い先生」なのか?

担任を担うことが小学校の先生の基本であるというのは、チーム担任制だろうが教科担任制であろうが、あまり変わりはないと考えています。担任として学級の基盤を作り、子どもたちが学習に集中できる基礎を作っていくことは、やはりとても大事なことです。

私自身、教員時代は1年生から6年生まで、どの学年も複数回担任を経験してきました。自分が現場にいた頃は、「すべての学年を担任できるのがよい教員だ」と信じていました。

ですが、校長として学校全体を俯瞰するようになった時、その考えは少し違うのではないかと思うようになりました。1年生と6年生とでは、担任に求められるスキルや視点が「全く」異なっているからです。

1年生と高学年、求められる役割の大きな違い

1年生の担任として最も気を付けるべきことは、子どもたちの日々の細かな変化に気づくことです。1年生は、体調や精神的な変化があっても、それを十分に言葉で伝えることができません。心のありようが身体的な変調として表れることもよくあります。

また、視野が狭かったり、聴力がまだ十分に発達していなかったりするため、早口で話をしても伝わらないことがあります。保育園や幼稚園からの良い習慣を引き継ぎつつ、学校で「初めて」身につけるべき習慣を教えるなど、低学年特有の発達段階を深く理解した指導が求められます。

一方、高学年になると、子ども達は身体的にも精神的にも大きな変化の時期を迎えます。思春期の入り口に立つ子もいれば、まだそうでない子もおり、成長の個人差が非常に大きくなります。

大人に対して反発心が芽生えたり、大人のウソを見抜けるようになったりする、とてもセンシティブで不安定になりやすい時期です。コミュニケーション能力の差も顕著になり、一人ひとりに合わせたより複雑な対応が必要になってきます。

これからの時代に合った「担任の在り方」とは

運動会などを見ていると実感しますが、小学校の6年間という期間は、子どもの成長にとってあまりにも長い時間です。

だからこそ、低学年を担任する先生と、高学年を担任する先生をある程度「固定化」する方が理にかなっているのではないでしょうか。「1年から3年まで」「4年から6年まで」と担当範囲が決まっていれば、教員はその年代の専門性をより深く磨くことができ、業務も効率的に進めることができます。

以前の記事でも触れたかもしれませんが、アメリカやイギリスでは学年を固定し、その学年を専門に担任する方式が一般的です。(逆に北欧などでは、同じ担任が6年間持ち上がる方式が多いようですが、これも一つの専門性の形と言えます)。

「どの学年でも無理なく持てなければならない」というこれまでの常識は、教員の働き方が問われる今の時代には、少し無理が生じているような気がします。

新年度を前にして、これからの時代に合った「担任の在り方」について、今一度考えてみてはいかがでしょうか。

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