変化を感じたのは10年ほど前のことです。知人が「奨学金を500万円借りていて、今も返済している」と聞き、愕然としました。社会に出た途端に500万円の借金を背負う。これを自力で貯めようと思えば、どれほど大変なことか。確かにこの20年は超低金利ですから、利息は微々たるものかもしれません。しかし、500万円という元本の大きさそのものが、若者にとって重い負担であることに変わりはありません。
その後、教育の現場でも何人もの若い先生から「実は私も奨学金を借りていました」という話を聞くようになりました。中には、総額600万円という先生もいました。 仮に無利子で20年返済だとしても、毎月約2万5,000円が給与から引き落とされ続けます。
月2万5,000円。一見すると「払えない額ではない」と感じるかもしれません。しかし、若い世代の生活設計は想像以上にシビアです。 仮に初任給を20万円(手取りにすれば16万〜17万円程度)とします。独り暮らしで家賃に8万円、光熱費や食費、通信費に6万円を費やすと、手元に残るのはわずか数万円。そこから交際費や衣服代を捻出し、さらに2万5,000円の奨学金を返済すれば、手元に残るお金はほぼ「ゼロ」になってしまいます。
先生として参考にしたい教育書を買う、授業で使うちょっとした文房具を自費で購入する。そんな自己投資さえままならない状況が、現場で生まれているのです。友達とお茶を飲みに行くことすら、ためらってしまうかもしれません。
現在、大学生の約50%が何らかの奨学金を利用しているといいます。これが今の日本の現実だと思うと、言葉を失います。完全な昭和世代の人間としては、当時とのあまりのギャップに驚きを隠せません。
すでに借り終えて返済している世代への救済は、現実的には難しいのかもしれません。しかし、本気で「少子化対策」や「人への投資」を掲げるのであれば、これからの若者、そして今まさに苦しんでいる世代を政治の力で救う方法を考えてほしいと切に願います。
若い先生たちが経済的なゆとりを持ち、心に余裕を持って教壇に立てるような制度や救済策。そんな未来を描ける政治を期待してしまうのですが、やはりこれは現実的ではないのでしょうか。
皆さんは、どう思いますか。


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