これは必ずしも、担任の先生から直接、乱暴な言葉や強い口調で怒られたという意味ではありません。先生が「他の子を怒っている姿」を見て怖くなり、教室にいられなくなってしまうケースがあるのです。しかも、その怒り方が体罰を伴うような過激なものではなくても、ただ「声が大きかった」というだけで恐怖を感じてしまうという話を何度も耳にしました。近年では、他人の感情を敏感に察知してしまうHSC(ひといちばい繊細な子ども)や、教室の騒音に耐えられない聴覚過敏の特性を持つ子の存在も知られるようになりましたつまり、直接的な叱責や人間関係のトラブルだけが不登校の理由ではないのです。
もちろん、友人関係の不和や、特定の先生への苦手意識が原因になることも多々あります。しかし、そうした従来想定されてきた理由が見当たらなくても、不登校になる子が増えているように感じます。他にも「授業がつまらない」「教室内の騒音がうるさくて耐えられない」と訴える子もいます。このように、これまでとは異なる理由による不登校が、近年増加しているのかもしれません。
子どもたちが変化している一方で、教員側が「今まで通りの指導でよい」と思い込んでいる側面はないでしょうか。教員側が指導法や子どもへの接し方をアップデートしていかなければ、不登校の増加を抑えることは難しいでしょう。
一方で、不登校の増加には、リモート授業の普及も影響していると考えられます。教室にいなくても学習に参加できる体制が整ったことは非常に重要です。また、学校や保護者が無理に登校を勧めなくなったことも、結果として不登校の「人数(統計上の数字)」を押し上げる要因になっています。子どもたちが安心して学べるのであれば、必ずしも学校という場所に縛られる必要はないはずです。
「子どもたちが繊細になりすぎている」「社会的な場である学校に適応する力が必要だ」という意見もあるでしょう。もちろん、いじめなどの加害・被害関係によって不登校になる事態はあってはなりません。しかし、安心・リラックスして学習できない子どもたちにとって、不登校を選択することは一つの「自己防衛の手段(対抗手段)」であるとも捉えられます。多様な学習形態を選択できる時代だからこそ、子どもたちが健やかに成長できるよう、私たちはどのような支援をすべきなのか、今一度多角的に考えていく必要があります。


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